[典型問題解説] ①絶対値つきの方程式・不等式(数Ⅰ)

数学の教科書に載ってないこと

はじめに

みなさんこんにちは!いと(@StudyRoad)です。

今回は典型問題解説で、「絶対値つきの方程式・不等式」の問題の解き方をできるだけ簡単に、わかりやすく解説したいと思います。

「絶対値付きの方程式・不等式」は多くの高校1年生が高校数学ではじめてつまずくポイントであり、ここでつまずいたことでその後の数学の学習意欲が下がってしまうこともあります。
そんな苦手意識のある人でもわかるように解説していくので、ぜひご覧ください!

絶対値の特徴

多くの人は知っていると思いますが、数直線で見ると絶対値というのは、その数の0からの距離のことを指します。

絶対値の数直線

 

 

この数直線から

|2|=2

 

 

 

 

絶対値の数直線(マイナス)

 

 

この数直線から

|−2|=2

 

 

こんな感じで|2|=|−2|であるのは理解できると思います。

他にも、|3|=3
|−3|=3
|5|=5
|−5|=5
|0|=0

などと考えていくと、絶対値記号の中の数字が負であるのか、そうでないのか、によって、絶対値をそのまま外せるのか、−1をかける必要があるのかが変わっていくことがわかると思います。

これは、後に説明する場合分けの本質ですので覚えておいてくださいね!

絶対値記号を外す時

 

ここまでは、主に絶対値記号の中が整数の時を考えてきたので簡単だったと思います。

しかし、問題なのは絶対値記号の中身が文字(xとかaとか)になった時です。

いよいよ、場合分けが必要になるためですね。

では、実際に不等式の時に出てくる共通範囲と合わせて解説していきます!

問題の解き方

絶対値付きの問題に関しては、方程式(|x–1|+|x−2|=x など)では場合分け、不等式(|xー4|<3x など)では場合分けに加えて、共通範囲の考え方が大切なので、この二つを解説していきます!

*本当は|xー2|=4のような絶対値が一つの方程式は場合分け無しでも解くことができます。しかし、場合分けしても解くことはできるので、今回は場合分けありの解き方で解いていきます。

場合分け

では、はじめに場合分けについて解説していきます。苦手な人が多いと思いますのでゆっくり読んでくださいね!

なんで場合分けをするのか?

絶対値のある問題に関しては、我々はまず絶対値を外すことを考えます。

先述した通り絶対値を外す時には、絶対値の中が負であるか、そうでないかが重要でした。

絶対値記号を外す時

絶対値の中が文字である時には、文字の値によって絶対値の中の符号が変化してしまいます。

だから場合分けをしなければならないのです。

例を挙げてまとめると、

場合分けをする理由

では実際に、|x–1|+|x−2|=xを例として使い、場合分けをしていきます。

まず|x−1|に注目すると、絶対値の中のx−1の符号の変化はx=1を境に起こるのがわかると思います。数直線で見ると、

符号の変化が起こる境界

こうですね。

同様に|x−2|に関しても、

|X-2|の符号の変化点

しかし、このままではバラバラですね。まとめるために数直線を並べてみます。

|X-1|と|X-2|の符号の変化数直線

1と2の間で正と負が混在しているので、数直線をまとめると
正と負が混在している場合の数直線
ということで、3つの領域に分けることができました。これこそが場合分けになります。
一般的に絶対値が一つなら2つの領域に、絶対値が二つなら3つの領域に分けることができます。
今回の場合では、⑴x≧2,⑵1≦x<2,⑶x<1と場合分けできることがわかっていただけたと思います。
このように、数直線を書いて考えると場合分けは案外あっけないほど簡単です。皆さんもノートに数直線を書きながら解いてみてください。

共通範囲

|xー4|<3xを例にして考えていきます。

まずは先述した考え方で場合分けをすると、
⑴x≧4,⑵x<4と場合分けできることがわかると思います。

実際に解いていくと

⑴x≧4のとき
x−4<3x
x>−2
と、解が出てきました。

ここで、共通範囲の考え方を使う必要があります。

まず、今計算したのははじめに書いてあるとおり、x≧4のときです。言い換えれば、xが4以上というのを前提とした計算であり、x≧4の領域しか見ていないわけです。

ですので、解はx>−2と出ましたが、前提との共通範囲を考えれば⑴の適当な解は、x≧4になります。
何度も言いますが、⑴ではx≧4の範囲しか考えないため、−2<x<4の範囲は無視して良いのです。

共通範囲の考え方

⑵についても同様に
⑵x<4のときx−4<0であるから
–(x−4)<3x
x>1

共通範囲を考えると、1<x<4になる。さっきと一緒で数直線にすると、

共通範囲の考え方②

⑴,⑵より、求める解は、x≧4と、1<x<4を合わせて、

x>1

応用編

応用編として、少し難しい絶対値2つの不等式を解いてみましょう!
皆さんもノートに上のような数直線を書きながら解いてみてください。
問題:|x−1|+2|x−3|≦11
では、まず絶対値記号を外すために場合分けをしましょう!
上で解説したように考えると、x=1,3が絶対値の中の式の符号の変化の境目になるので
⑴x≧3,⑵1≦x<3,⑶x<1の三通りに分けることができますね。
それぞれ共通範囲に気をつけて計算していくと、
⑴x≧3のとき、絶対値記号はそのまま外せるから
x−1+2(x−3)≦11
x≦6
x≧3との共通範囲を考えて、3≦x≦6
⑵1≦x<3のとき,x−1≧0,x−3<0であるから、
x−1−2(x−3)≦11
x≧−6
1≦x<3との共通範囲を考えて、1≦x<3
⑶x<1のとき、x−1<0,x−3<0であるから、
–(x−1)−2(x−3)≦11
x≧–4/3
x<1との共通範囲を考えて、–4/3≦x<1
⑴,⑵,⑶の範囲を合わせて、求める解は
–4/3≦x≦6
皆さんもできましたか?

最後に

ということで、今回高校1年生がつまずきやすい、絶対値付きの方程式と不等式に焦点を当てて解説してきました。

参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました!