[典型問題解説]隣接三項間の漸化式のわかりやすい解き方(数学)

隣接三項間の漸化式の解き方

はじめに

みなさんこんにちは!最近、季節の変わり目のせいもあり体調も崩しまくっている”いと”です!(皆さんも体調管理には気をつけてくださいね。。。)

そんな話は置いておいて、今回は”隣接3項間の漸化式”の問題の解き方について解説していきます!

$$
da_{n+2}+ea_{n+1}+fa_{n}=0
$$

みたいな問題です!

勉強が進んでいる人には当たり前に感じるかもしれませんが、一言に”隣接3項間の漸化式”と言っても解き方は3パターンあり、どんな時にどの解法を用いるのかをしっかり理解していなければなりません!

今回はその3パターンの分け方、それぞれの解き方を出来るだけ簡潔に解説していくので、ぜひ最後まで読んで、試験で出題された時には「隣接3項間の漸化式だ!ラッキー」と思えるように覚えていただければと思います!

特性方程式を利用したパターン分け

特性方程式とは?

記事の冒頭で、「隣接3項間の漸化式」の解き方が3パターンに分けられることには言及しました。

ではどのようにそのパターン分けをするのか。そのパターン分けに使うのが

特性方程式す!

特性方程式は隣接2項間の漸化式の解法にも出てくるので、知っている方がほとんどだとは思いますが、隣接3項間の漸化式の場合には、

an+2、an+1、anをそれぞれ、x2、x、1とおいた2次方程式

のことです。

パターン分け

では、この特性方程式を利用してどのようにパターン分けをするのか?を解説していきます!

その手順としては、

①特性方程式を解く

②その解を、A.解にを含む、B.1でない異なる解を持つ、C.重解を持つ、の3パターンに分ける。

これだけです。

ここまででパターン分けまではわかっていただけたと思いますので、ここからはそれぞれの解法を解説していきます!

隣接3項間の漸化式の解き方

まずは全体に共通する基本方針を示しておきます。

基本方針

特性方程式px2+qx+r=0の解α、βを求めて

an+2−αan+1=β(an+1−αan)

の形に変形する。

ここからがパターンによって解き方が分かれてくるので、3パターンに分けて解説していきます!

A.解に1を含む

解説

解に1を含む場合はα=1とすると漸化式が、

an+2−an+1=β(an+1−an)

と変形できますね。

実はこの漸化式は数列{an}の階差数列が等比数列であることを示しています!

ですのでここからは階差数列を解くだけになります。(ここでは階差数列の解き方の詳細は省略します。忘れてしまった方は下の実践編で確認してみてください!)

かっこよく言えば、「隣接3項間の問題を階差数列の問題に帰着した」ということですね。

実践編

問題文

次の条件によって定められる数列{an}の一般項を求めよ。

a1=1, a2=2,  an+2+4an+1−5an=0

特性方程式は

x2+4x−5=0

これを解くと解は、x=1,−5です。

(ここまでは普通、解答には書きません。)

漸化式を変形すると、

an+2−an+1=−5(an+1−an)

ゆえに、数列{an+1−an}は初項a2−a1=2−1=1 公比−5の等比数列であるから

an+1−an=(−5)n−1

よって、n≧2のとき

an=a1+(−5)0+(−5)+・・・+(−5)n−2=1+1・{1−(−5)n−1}/1−(−5)=1/6{7−(−5)n−1

n=1のとき、1/6{7−(−5)1−1}=1であるからこれは成り立つ。

したがって、an=1/6{7−(−5)n−1

B.1でない異なる解を持つ

解説

1でない異なる解を持つ時は、その解を利用して

an+2−βan+1=α(an+1−βan)

an+2−αan+1=β(an+1−αan)

この2通りに漸化式を変形します。すると、

数列{an+1−βan}{an+1−αan}が等比数列であることがわかりますね。

ですのでこの2つの数列の一般項は求めることができます。そのあとうまく変形してan=…の形に変形すれば解くことができます。

この部分は実際にやってみたほうがわかりやすいと思うので実際に解いてみましょう。

実践編

問題文

次の条件によって定められる数列{an}の一般項を求めよ。

a1=0, a2=1,  an+2=an+1+6an

特性方程式の解は、x=3、−2ですので漸化式は以下の2通りに変形できます。

an+2−3an+1=−2(an+1−αan)

an+2+2an+1=3(an+1−αan)

よって数列{an+1−3an}は初項a2−3a1=1,  公比−2の等比数列であるから、

an+1−3an=(−2)n−1・・・①

また、{an+1+2an}は初項a2+2a1=1

すると,公比3の等比数列であるから、

an+1+2an=3n−1・・・②

②−①から、5an=3n−1−(−2)n−1(①と②を連立方程式とみて、an+1を消去します。)

したがって、an=1/5{3n−1−(−2)n−1

C.重解を持つ(できない人が多い)

解説

最後の重解を持つパターンの解説ですが、他のパターンと比べてもこのパターンの正答率はかなり低いです。

ですので、しっかりと読んで覚えていってくださいね!

今回の場合、α=βですので漸化式を等比数列の形に変形しようとしても、一通りにしか変形できません。

とりあえず、その一通りを解いてみます。

an+2−αan+1=α(an+1−αan

数列{an+1−αan}に関して、初項を(a2−αa1)として、公比はαであるから、

an+1−αan=(a2−αa1n−1・・・③

ここまでは求められると思うのですが、この後に少し工夫が必要になってきます。

この工夫とは両辺をαn+1で割ることです。

すると③は、an+1n+1−an/αn=(a2−αa1)/α2

と変形でき、bn=annと置けば、bn+1−bn=(a2−αa1)/α2とできますね。

この形になれば、もう誰でも解ける漸化式の形ですね。

普通に解いて数列{bn}の一般項を求めて、両辺にαnをかければ、終了です!

実践編で確認してみましょう!

実践編

問題文

次の条件によって定められる数列{an}の一般項を求めよ。

a1=0, a2=2,  an+2−4an+1+4an=0

特性方程式の解はx=2のみですので、漸化式は

an+2−2an+1=2(an+1−2an)と変形できるので、数列{an+1−2an}は初項a2−2a1=2−0=2、公比2の等差数列であるから

an+1−2an=2n

ここで、両辺を2n+1で割ると

an+1/2n+1−2an/2n=1/2  となり、bn=an/2nとおけば、

bn+1−bn=1/2  となります。

よって数列{bn}は初項b=a1/2=0、公差1/2の等比数列であり、

bnan/2nn+(n−1)•1/2 = 1/2(n−1)

したがって、an=(n−1)・2n−1となる。

最後に

今回は隣接3項間の漸化式について、3パターンへの分け方とそれぞれの解法について解説・実践してみました。

少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

では、最後までご覧いただきありがとうございました!

 


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