この記事は後編です。
この記事は以下の記事の後編です。前編と合わせて読むことをお勧めいたします。
生徒に安心感を与える4つの行動
前編では以下の4つの行動が、生徒に安心感を与えることになるとお話ししてきました。
- 自己紹介(楽)
- 生徒の様子の確認 (楽)
- 体験談を取り入れる。 (楽・真面目)
- 受験生の大変さ(真面目)
そしてこれらに含まれる楽と真面目 の要素の割合は普通は7:3程度が最適ですが、「生徒の様子」の確認を通して、生徒によって配分を変えていくべきだという話もしたと思います。
では、これらの行動について一つずつ詳しく解説をしていきたいと思います。
1.自己紹介 〜先ずは自分の心の扉を開け〜
私が初めて接する学生と話す時に最も重要視しているのがこの「自己紹介」です。
これは明らかに勉強とは関係がないので(楽)100%です。しかし、なぜ一番重要視しているのか。それを説明していきます。
私は前編で、体験授業においては「生徒の立場になること」に全て集約されるということを書きました。しかし、生徒についてなんの情報もないのに、生徒の立場になることは不可能です。相手のアクションが不可欠なのです。
ではどうやってそのアクションを起こさせるのか。それには心の扉に隙間を開けてもらう必要があります。「相手の心の扉に隙間を作る方法」それは私の知る限りでは”自分の心の扉をぶち破ること”しかありません。
(先日読んだ「人生の賞賛(前田祐二著)」という本にも、相手に好かれるためには自分がまず相手を好きになれということが書いてありました。)
その自分の心をぶち破ったことを示すために「自己紹介」をするのです。もちろん自分が所属する大学や好きな科目についても言及しますが、一番大切なのは趣味や特技の欄でいかに自分をさらけ出すことができるかです。支障がないレベルでパーソナルな話を入れるのも効果大です。(僕の場合は最低でも三回は「クスッ」とさせることを目標にしていました。)
それによって、緊張していたはずの生徒の心が少しずつ緩み始め、扉に隙間ができ始めます。
生徒に聞いた話によると、体験授業の際、他の多くの講師たちはいきなり授業を始めるそうです。では「彼らには相手を思いやる気持ちがないのか?」というとそうではないでしょう。
おそらくもう「生徒だった時の自分」を忘れてしまっているのです。
だから、緊張している生徒の気持ちを汲み取ることを忘れてしまうのだと思います。この点は唯一大学1年生の強みだと思います。自分も数ヶ月前までは生徒の立場だったわけですからね。
ということでまとめると、
2.生徒の様子の確認 〜表情から気持ちを読め〜
1.自己紹介を終えた後は、生徒の話を聞いてあげましょう。
ここですべきなのは「生徒の様子の確認」です。先ほど述べたような自己紹介を行うことができていれば、生徒は多少なりとも心を許すため、気持ちが表情や言葉に出やすくなります。
そうなれば、生徒は自分の志望校や夢について語ってくれるでしょう。
しかし、ここで生徒の様子をしっかり確認する必要があります。
一つ具体例を挙げると、私の体験授業を受けた生徒に医学部志望だという生徒がいました。しかし、自分の夢を話しているはずなのにどこか表情に曇りが見えました。
そこで私は「自分の夢を追うのが一番良いこと」だという話を生徒に伝えました。それを聞いた瞬間生徒の表情は明るくなりました。
もしかすると、その生徒の当初の志望が自分の意思ではなく、それに気づいて欲しかったのかもしれませんし、それは私の考えすぎなのかもしれません。しかし、今でもその生徒は私の授業を楽しそうに受けてくれています。
このように生徒が心を開いてくれている状態であれば、生徒の気持ちは表情や言葉に必ず現れています。あくびを我慢している様子が見えたら、「寝不足なの?」を尋ねて挙げるだけでも良いと思います。
3.体験談を取り入れる 〜自慢話にならないよう注意〜
体験授業において大切な3つ目の行動は自分の持っている体験談をすることです。
これは自己紹介の項でお話しした「自分をさらけ出すこと」の延長線にあることでもあります。しかし3番目に提示したのはなぜかというと「その生徒に合わせた体験談」をすることが大切になってくるからです。
生徒の話を聞かずに体験談をしてしまうと、気づかぬ間にただの自慢話になってしまうことがあります。みなさんも知っていることと思いますが生徒は先生の自慢話には死ぬほど興味がありません。というかしっかり嫌われます。
生徒の話をしっかり聞くことで生徒の目線になることができます。(なんども言っていますが「生徒の立場」になることです。)そうすれば生徒の参考になり、かつ楽しい体験談を話すことができるでしょう。
具体的には、もし生徒の志望校を受験していたなら非常にラッキーです。自分が受験時にした対策内容について詳しく話してあげましょう。「この先生について行きたい。」と思ってもらうチャンスです。
そうでなくとも、その学校を志望していた友達の話やどの大学を受験する場合でも共通する受験勉強の大変さ(4つ目に詳しく書きます。)などいくらでも共感を生める話はあると思います。
4.受験生の大変さ
最後のポイントは「受験生の大変さ」についての話を入れることです。最後のこの話には真面目要素が大きいです。実は行動の順序によってどんどん真面目度をあげているのにも意味があります。
心を開いていない相手からされる真面目話ほど退屈なものはありません。しかし、一度心を開いた相手がしていればそれは参考になる話として受け入れられます。だから序盤に楽を持ってきているのです。
話を戻します。「受験生の大変さ」これを文字通り受け取ると、なんだか焦らせるような意味に感じますが、決してそうではありません。
これは生徒が受験生なのか、そうでないのかによって話の内容が変わってきます。
生徒が受験生の場合
この場合はまず、「受験生が辛いことはよくわかっている」という旨の話をし、そのあとに「せめて私との授業の間は勉強が楽しく感じるように私も頑張ります。」と伝えています。これは僕の本心なので無理して真似しなくても良いと思います。
ただ、相手はこれから長い受験勉強を戦い抜くパートナーとなる先生を決めようとしているわけですから、間違っても焦りを助長するような発言をしてはいけません。
ポイントは「共感」を示し、「努力」を約束することです。
受験生以外
受験生以外の場合は、「受験勉強」を実際よりも辛いもののように話した後に、「でも今から始めてしまえばそんな大変なことではない。」ことを伝えます。
これは、私自身がスタートが遅かった”後悔”から必ず生徒には伝えている言葉です。
そうすると、多くの生徒はやる気を見せてくれます。たとえ持続しなくてもこの”後悔”の話は何度しても生徒のやる気を引き出してくれます。
ということで私はいつも、これらの話を最後にして体験授業を終えています。
そうすることで生徒の中には「序盤の”楽”と後半の”真面目”からくる安心感」が残ります。
この安心感がこれから築いていく生徒との間の信頼関係の基盤になるでしょう。
最後に
なんだか熱中して書いてしまい、まさかの「体験授業」に関してだけで二部構成になってしまいました。また別の記事で通常の指導法についても書いていきたいと思います。
では最後まで読んでいただきありがとうございました!
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