はじめに
みなさんこんにちは。いと(@StudyRoad)です。
今回はタイトルにもある通り、大学の物理で習う「流体」について、大学一年生の方の定期テスト対策になるような記事を書いて行きたいと思います。
具体的には、
- 連続の方程式
- ベルヌーイの定理
- トリチェリーの定理
- ピトー管の原理
について書いていきます。
大学の物理の教科書はわかりにくいものが多いので、その補助として読んでいただければと思います。
連続の方程式(連続式)
なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実際には当たり前のことを言っているだけですので、図をよく見ながら読み進んでみてください。
まず、完全流体の定常流*を考えます。
定常流・・・任意の点での流体の速度が時間によって変化しない流れ。
そして今回考える状況は以下のような流管です。
流管・・・流れにほぼ垂直な閉曲面を通る全ての流線によってできる一つの管。
*流体の出入りがこの管内で収束することがポイントです。
ちなみにδtは十分に小さいとします。
A面の面積をSA、B面の面積をSBとして、速度をそれぞれVA、VB、密度をρA、ρBとします。(δtが小さいので、A ‘とB’に関してはA,Bと等しいとして良い。)
もう一度図で確認するとこんな感じ。
AA’間にあった流体がA’B間に入り、A’B間にあった流体がBB’間に出ていっています。
ここでA’B間に存在する流体の質量は常に等しいはずですので、流入量と流出量は等しいと言えます。
つまり、
ρASAVA(流入量)=ρBSBVB(流出量)
が成り立ちます。AとBは流管上の任意の点なので、
ρSV=(一定)
が成り立つ。
この式こそが連続の方程式です。流体密度が常に等しい流体(縮まない流体)ならば、
VS=(一定)が成り立つこともよく使うので覚えておきましょう。
ベルヌーイの定理
「ベルヌーイの定理」と言われるとなんだか新しいもののように感じますが、高校物理でいうところの「力学的エネルギーと仕事の関係」のようなものです。
上でも用いた図を考えます。(密度は等しいとする。)
ここでA(流入)とB(流出)で運動エネルギーはそれぞれ、
\frac{ 1 }{ 2 } ρSAVAδtVA2、 \frac{ 1 }{ 2 } ρSBVBδtVB2、[ \frac{ 1 }{ 2 } ×(質量)×(速度)]
また、重力による位置エネルギーは、
ρSAVAδt・gzA、ρSBVBδt・gzB (zはそれぞれの高さとした。)[(質量)×(重力加速度)×(高さ)]
これで、いわゆる力学的エネルギーは終わりですが、今回はこれらに加えて、両面に加わる圧力のする仕事を考慮しなければなりません。
圧力を図に書き込んでみると以下のようになります。
面A,Bが受ける力はそれぞれ、SApA、SBpBで、移動距離はVAδt、VBδtであるから流体がされる仕事は、
pASA・VAδt−pBSB・VBδt
となる。よって(力学的エネルギーの変化量)=(された仕事)の式が
力学的エネルギーの変化量は流体がなされた仕事の総和に等しいことを利用し、式変形を進めると以下のようにベルヌーイの定理を示すことが出来ます。
文字が多くなってしまいましたが、言っていること自体は難しくないとわかっていただけたと思います。
トリチェリーの定理
この定理はベルヌーイの定理を特別な場合に当てはめたものです。
水槽の小さい穴から流体が流出することを考えます。
ここで、AとBでベルヌーイの定理を使います。
(ただし、穴は小さいため、VA=0と近似でき、圧力は大気圧で等しい。)
ρgh = \frac{ 1 }{ 2 } ρVB2
この式をとくと、
VB = \sqrt{ 2gh }
となり、これがトリチェリーの定理です。
ピトー管
ピトー管とは流速の測定に用いられる下図のような装置です。
A点とB点でベルヌーイの定理を使います。(ただし、Aは十分に小さい穴だとしてVA=0とします。また、VBが求めたい流速です。)
\frac{ 1 }{ 2 } ρVB2+pB=pA
となります。
これを利用すれば、VBを以下のように求めることが出来ます。
VB=2(pA−pB)/ρ
ちなみに、図中の h は以下の式で表すことが出来ます。(ピトー管中の液体の密度をρ’とする。)
h = pA−pB/ρ’g
よって、ピトー管を用いれば管内の液体の高さの差(h)から、流速を簡単に計算することができるのです。
最後に
今回は物理の「流体」に関する、様々な定理や装置についてまとめてきました。
皆さんの参考になれば幸いです。
では、最後までご覧いただきありがとうございました。
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